「犬との約束」感想をぶちまけていく
◯このブログについて
いつもの拗らせた構造こねくり回し虚妄万歳みたいな話はそんなにしてないです。
好き、可愛い、曲がいい、悲しい、切ないくらいしか語彙がないんかみたいな感想がメインになってます。
頭から必死に捻り出してはいるんですが万が一順番とか内容違くない?があったらそっと教えてください!
最後の方ちょっと思想強めオタク出てるので苦手な方は読み飛ばしてね。自己判断と自己責任で!
◯第一幕
◯第二幕
◯ラム目線で観劇して
◯トータルの感想とか
◯織山さんのオタク目線では
◯第一幕
▼オーバーチュア
曲と照明の連動がすごく好きなんですよね。
トランペットでの開幕が朝っぽくて、昼間、夕方、夜、そして夜明け。我々の日常から夜を跨いで、日が昇るのと一緒に別世界に入れてもらってるような感じがする。
曲的には多分この順番だったかな、M10の後って何かありましたっけ…?
ジョージのスピーチ
↓
M4 報われる世界
↓
M15 愛犬ラム「僕の親友〜」
↓
M10 いつも一緒に
▼ダニエルとラム
アコギのイントロがまさに物語の始まりって感じがしてわくわくするのよ。
トランペットとアコギは朝って遺伝子に刻まれてんのかな。音で季節とか時間帯表現できるのすごいよね。
あとちょっと牧歌的な感じがしていい。広くて澄んだ自然を感じるというか、安心する音。
オーバーチュアのトランペットに関しては厳正かつ公正ってイメージもあって、再審のバックがこれでしたね。よよよのよ。
語り部のコーラスがめちゃくちゃ綺麗で数回目からはもうここで泣きそう。曲がいい。
生まれた時からずっと一緒ってさすがに同時に生まれたなんてことないと思うし、ラム目線なのと犬の時代的な寿命考えると「"ラムが"生まれた時から」かな?
ダニエルが生まれた日にお父さんが拾ってきたとかだったらしんどいどころじゃないけど。
語り部おじさん(園岡さんと言え)の声が優しくてさあ…
ダニエル登場からめちゃくちゃ踊る。織山さん独特のバキバキ感はそこまでない振りだけど所作がいちいち美しいな。
バレエっぽい動きとかわりとあったイメージだけど知識なくてわからん。
うつ伏せになるとこ前列は間違いなく記憶飛ぶ。私の中のオタクが喜んでる。歩き方ァ…(かわいい)
空指差してラムに教えるのも可愛い全部可愛い、可愛いのもいい加減にしろ。
暖かい歌詞と音楽にダニエルが囲まれてるだけでどっかの神経に触れて泣きそうになる。
この時点ですでに犬の寿命に触れてるの、ダニエルってほんとにずっと頭の片隅にそれがあるんだなって思うよね…
▼人として
マクレガーさん取り立てシーン。不穏。いや岡さんばりかっこいいな、何頭身なん?頭ちっっさ。
ほーん、地主さんなのかな?(実業家でした)
まあよくある話よな…いや仕事と家提供してくれるの手厚くない?頑固も強情もそれはそう。
え理由「思い出を大事にしたいから」だけなん?お母さん???いやわかるよ、わかるけどそれとお金払えてないの別の話じゃない?
マクレガーさんまじ寛大すぎ…
アー!ダニエル!かわいいね!
「あっ…マクレガーさん」の「あっ…」が毎回かわいいね、ない時もある。息が詰まる感じ好きだわ、織山さんの空気使い(?)のオタク多分全員ここ好き。
嫌いなわけでも懐いてるわけでもなくただただ気まずそうなのリアルでいいよね。ダニエル的には単に悪い人ってわけでもないんだろうなあ。
っていうかマクレガーさんダニエルにめちゃくちゃ甘くない?気持ちはわかる。そら可愛いよ、可愛いもん。
可愛いけどちゃんとダニエルって認識してて、かつお前とかそいつじゃなくて「その子」とかって呼んでるんだよね。
自分の土地に居座り続ける強情な女と薄汚くて口数の少ない息子、の扱いではないんよ。
メアリーが「必ずお支払いします」の時ダニエルに寄り添うのが、息子を外に出したくないとか外の世界を知って離れていってしまうのが怖いみたいなニュアンスを感じてちょっと寂しいね。
メアリー言ってることわりとぶっ飛んでるけど歌が良すぎんか。あとすーごい声綺麗。
これで子ども蔑ろにしてたらアレだけど愛情深いのは間違いないのよね。ただダニエルを夫との思い出の一部にしてはいませんか、というのはちょっとね…あれだよね…お金では動かないって、いや払えてないんよ…気高く生きとる場合じゃない。
ダニエルが純粋に母親を思っているのが若干不憫に見えるまである。
ただ曲と歌が良すぎて普通に胸を打たれるのずるい。
▼報われる世界
マクレガーさんと労働者の裁判。
これもよくある話よね。どっちの言い分もわかるよ。「だらだら働いた時間の分まで金出してられるか、成果対報酬だよ」っていうマクレガーサイドと「全員が最短で終わらせられるわけじゃないし悪用されるかも」っていう労働者サイド。これは制度もデータもなければ一生平行線。
ここの歌もすごく好きなんだけど、高圧的でも卑屈な感じでもなくて暗くないのがいいよね。双方不満や言い分はあるけどそれなりに活気を持って街の日常が回っていってる感じ。
バキバキにメンチ切るボブを何回かトーマスが止めてるのが可愛い。
スーザン終始ハラハラ。
▼仕事の流儀
負けちゃったので報酬を受け取らないジョージ。いやいや仕事にオンリー善意はNGでしょ。スーザンとトーマスがすれ違えないくだり毎回笑う。トーマスいいやつ。
スーザンのド正論パンチに結局「ごめん」で済むのは人間性なのか悪意がないからなのか。「謝って家賃が払えりゃ苦労しない」それはそう。
青木さんの声好きなんよね。あんまりツヤツヤしてないのが逆に温かみがあると言うか。
どんな結果でも仕事に誇りを持て、は個人的にまあまあ刺さりましたね。
この曲中のジョージの表情すごい好きなんだけど「それが、僕さ〜」のあたり特にスーザンにビビり散らかしてて不覚にも可愛いんだわ。愛嬌があるよね。
まあ仕事への報酬が形見売っぱらった代金っていうのはそれは違うよ。気まずいし。
▼それがあなた
ケイトさん美しい〜〜〜ダメ男製造機かな???
パパのおかげでお金に困らないならそれは誰も文句ないですけども…
でも「パパのような人にはなってほしくない」のよね。難しい話だよなあ。若い。綺麗な理想だけで食べていける人間はほぼいないんよ。
スタイルの良さとか等身の感じめちゃくちゃ遺伝子感じる。
今回ダニエルとメアリーも雰囲気似ててそれぞれ親子感出てるのすごくいい。
ジョージ、仕事に誇りを持てって言われた直後に「ちょっと頼ろうとした」ってぽろっちゃうの迂闊で可愛いよね。いや結局可愛いんだよな。ほっとけない感というか。スーザンがいてくれる理由ってそれが8割なんじゃないかね。
この歌、劇中でトップレベルに音がむずいと思うんだけどどうじゃろか。ケイトさん難しそうな曲多いよね。
▼我々の気持ち次第
悪徳裁判長。裏で社会回してる人はこうなりがちなイメージはある。
私利私欲を置いとけば言ってることはわかるよ。今の時代でだってこの構造はそこら中で見る。
生活が苦しいなら自分で打破しろよ、それができないなら文句言うなって論調は今もあるよね。
低所得者は日銭稼ぐのに精一杯で勉強してる時間もないから、上にいる人間がなんとかしてくれよっていうのはわかる。でも酒飲んだりだべったりしてる時間があるならちょっとは自分で勉強したり動いてみろやっていう、ア゜(爆裂ブーメラン)
実際マクレガーさんもアレックスも叩き上げみたいなところあるだろうし、"やればできる"の体現者だから余計そうなっちゃうんだろうなあ…
ただ、嘆く労働者個人に対しては「努力が足りない」でいいのかもしれないけど、低賃金で働く人たちが軒並み職投げて高待遇のとこ行っちゃったらそれはそれで破綻するのでね。
ある程度街が大きくなったら多少のベースアップは必要だし、還元してかないと将来的に色々滞りますよと…聞いてますか裁判長。
ところでマクレガーさんの歌う部分ちょっと一曲前のケイトの歌に似てるところあった気がするんだけど、やっぱり親子なんだなっていうのと対比が良かったですね。気のせいかもしれないけど。
▼娘のお願い事
イケおじのベスト(大好物)
いやすみませんマクレガーさん本当にビジュアルが好きすぎるんです…
またお一人で行かれたんですか?は意味深すぎるなあ。
ここでマクレガーさんがアレックスにイライラするの大好きなんよね。「冗談じゃないよ」あたりの語感とリズム感良すぎてそこだけ録音ほしい。いや嘘全編ほしい。
ケイトさん目も合わさずに部屋直行はお父さん泣いちゃうよ…?娘にでろでろなマクレガーさんきゃわだね。
「大抵のことはなんでも聞いてしまいたくなる」の後に口パクでほんと?って聞き返してるケイトが可愛い。
玉置さんの貫禄で大人びて見えるだけで、実際20代前半くらいのイメージなのかなあ。反抗期がまだ可愛い感じよね。理由はちょっとしょうがなくもあるけど。
それでも頼めばパパはなんとかしてくれるって、甘さと強かさが混在する感じがお嬢様っぽくていいよね。
あとちょっと家賃とか人件費の援助して、くらいかと思ってたらスケールでかすぎて笑っちゃった。金持ちの考えることは違うわ…
ジョージからそういうのはいいからって言われたのに「彼のため」ならまるっと無視するのも愛がちょっとズレてる気がする。
けどジョージにはそのくらいごりごりに道を拓いて突き進んでく彼女の方が絶対いいよね。
最初お願いベースだったのに結局親子喧嘩になっちゃうの可愛い。
「ケイトさん、さあ謝ってーー!!!」と「図星だからそんなに怒るのよ、フン!」が好き。
図星だったんだろうなあ…マクレガーさんからしたら綺麗なものだけ追えるジョージがちょっと羨ましいのかもしれない。
でも自分はそういうものを切り捨ててまで稼いで家族を支えてきたプライドもあって、その辺のイライラが全部アレックスにいってるのも不器用で可愛い。
アレックスも終始不憫で可愛い。可愛いしか言ってない(いつも)
▼人生なんて
働いても働いても一向に楽になんかなりゃしないってな。ほんとそれ。
従業員雇えないのは土地代の問題なんだろうか、農場として経営がすでに破綻しかけとらん??
ここの酔っ払いの歌好きがすぎるな。無条件で酒飲みたくなる。
はいはいまたかみたいな反応で限りなく存在感消すダニエル愛おしいね?(ちなみにメアリーはアル中の設定らしいです)
愉快に人生を嘆く歌って歌詞だけ見たらほんと悲しいんだけど、惨めには聴こえなくてなんかいいよね。女性組がスカート振って踊ってるのめちゃくちゃ好きだわ。歌い方も好き。経済や社会が加速する時、必ず振り落とされる層がいて格差も開いていってしまうのはいつの時代も一緒よね。
「正直者が馬鹿を見る、誠実さなんて1セントにもなりゃしない」知ってる〜〜オタクにもありますそれ〜〜(白目)
最初と終わりでみんな陣形(?)組むところすごいくだらなくてすごいかっこいい。
私がめちゃくちゃルーシー推しなのもあるんだけど、この曲のルーシー本当に酒癖が悪いただの酔っ払いなのにすげえ可愛いの。
酔っ払いに囲まれながら、ラムと抜け出す時だけ楽しそうなダニエル可愛すぎるのと目線の先のオタクが毎回悶絶してる。強く生きて。
▼いつも一緒に
酔っ払いに絡まれるダニエル、たまに「さいあく…」
って言ってる?どこの癖に触れたのかわからないけどどっかしらの情緒が爆散しました。
絡みたくなる気持ち大変よく分かります(やめろ)
「大人はどうしてお酒を飲むんだろうね?」で「アッッスミマセッッッッ」になった社会人オタク多分わりとおる。しゃーない。こっち見んな。ごめんて。
この後の曲中にルーシーとボブがひたすらいちゃついてるんだけどほんと可愛いから全人類見て。
バーバラとメアリーがしっぽり飲んでるのもちょっと泣きそうになる。
そしてダニエルの声がずっといいんだわこれが。「大好きだよラム」の柔らかさが脆すぎて怖いくらい。
メアリーが変わってほしくないって思うのもわかるよね。
ただ綺麗で純粋なまま、それだけのまま成長させるのが果たして優しさなのかっていうのは別問題。
▼不幸もいろいろ
キャシーの話って普通に笑えないんだけど、話のネタにできるくらいのレベルに落とし込めてるあたり劇中の"普通"のやばさがやばい(語彙)
個人的にこの曲のアコーディオンアレンジとか聴いてみたいんですよね。女性組男性組に分かれて歌うところすごい綺麗で好き(語彙)
正直キャシーがメインヒロインだと思ってるとこあるんよね。他の女性陣に比べて強すぎないというか。いやセクハラになるんかなこれ。
みんなが弱いところがないっていう意味じゃなくて、いい塩梅で弱みを見せるのが上手いというかですね。モテそうですよね。一番シンプルに可愛いと思う。何言ってもセクハラになっちゃうなこれ。
バーバラさんはまじで何があったん。魔女みたいでかっこいいんだよなあ。後ろでビビる皆さんも可愛い。
「あんた私に何か不満でもあんのかい!」でいちゃつく(広義)バカップル推しです。
はけるときのバーバラさんガチ酔っ払いで好きなんですよね。
みんなの不幸自慢聞いてるとこまではまだ普通にしてられたんだろうけど、農場の暮らしを幸せじゃないって断言されたのはメアリーきつかっただろうな。
自分は幸せだからそんなこと言わないで、じゃない気がする。夫を置いて忘れて新しい生活を始める気にはなれないけど、それでもどこかでこのままではだめだってわかってる。ダニエルもいつまでもこの場所に居させてはだめだと。
メアリーもダニエルも、頭の片隅には楽になりたいがうっすらあるんだろうなっていうのが見え隠れするのが辛いね。でも夫との思い出から離れられなかったり母親の助けになりたかったり、一歩も動けないけど毎日は消化していくしかない。
それを繋ぎ止めてたのがラムだったんだろうなあ。
ダニエルに関してはメアリーにこの生活を続けてほしくないっていうのもありそうよね。
農場を離れてほしいわけではないけど、夜な夜な酒を煽って辛そうにしているところは見たくない。でも日々できることは手伝いとかご飯を作ることだけで、そんな自分にも無力感を隠せてない感じ。
メアリー元お嬢様説をわりと推してるんですよね。仕事を与えるって言われてるのに「そんな簡単に仕事なんて見つからない」って言ってるから農場を離れてもマクレガーさんの手は借りたくないのかな?と思う。
他の労働者とくらべてガツガツしてないというかプライドが高いというか。
もしそうじゃなくて対仲間たちへの言い訳だとしても、なんだかな。もしかしたら農場経営以外の仕事を一からやる方法がわからないのかもしれない。とか。
メアリーへの当たりきつめな記録になっちゃうけど。
ちなみにメアリーのカテコめちゃくちゃ麗しいので全人類見てほしい。すごい好き。
みんなラムみたいだったらいいのに、は個人的にはあんまりわからないかな。
犬が優しいのは主人側にも誠意があるときだけだよ。
極論飼い主が犯罪者だろうと犬に対して真摯であれば犬が裏切ることはあんまりないんじゃないかな。
逆に外向きどんなに優しい人でも裏でペットに虐待していたりする。
ダニエルが言いたいのはそんなことじゃないのはわかってるけど「みんなそうだったら」に共感はできなかったかな。信じ抜くことは危険な時もあるので。
全人類裏表なく善人であることを前提にしないと成立しないのよ。そしてダニエルもそれはわかってる。実現なんかしない夢物語だってわかりながら願わずにはいられない。エェン幸せになってくれ。
▼誰のシンデレラ
スーザン好きだわ…「ろくに事務作業もできないわね」が呆れ気味だったりちょっと笑ってたり優しさが滲んでたり、毎回ちょっとずつ違うんだけど全部ママみがある。
日替わりパンと「20ドルになりまぁす(圧)」毎回楽しみだった。
この歌もかなり好き。納得できること言ってるようで嫉妬丸出しなアレックスね。というかケイトさんあそこまで感情向けられておいて気付いてないのすごいな。
好意を向けられ慣れてるのかジョージしか見えてないのか。
そしてアレックスを吹っ飛ばすスーザンがたまらなく好き。アレックスって見た目お堅い感じに見えるんだけどわりと人間面白いのでは?スーザンと何回か「ん?」ってなるのも凸凹コンビ感あって可愛い。
▼私だけわかっているわ
ケイトが箱に乗る時、登りはジョージとアレックスの手を借りるんだけど降りる時はアレックスが手を差し伸べてもスルーなの切なすぎてな…
人々のため、を物理的にできる余裕があるのはお金がある人だけだよ。共倒れになる。でもその辺はちゃんとわかってそうなケイトさんえらい。
っていうかこの歌シンプルむずない?特に最後の方。
▼犬にまつわることわざ
このことわざ、少年期と青年になった時でだいぶ違うからやっぱりダニエルの少年か青年か問題かなり重要じゃない??歌詞ではどっちも出てきてますよね。
寿命的にはまだ死期じゃなかったって言いたいんかな。
そしてこの歌の(も)吉田さんが好きです…うたのおねえさん…
▼愛犬ラム
いやめちゃくちゃ跳ぶじゃん。重力どうなってる???1ミリも伝わらないんだけど下手で両手パッてやる振りが好きです。
膝叩いてラム呼ぶのめちゃくちゃ好き。可愛すぎる。
僕の親友〜を歌う時ただの愛情だけじゃなくて、いつかいなくなってしまうのはわかってるけどまだ側にいてほしいっていうのが滲み出てる感じがする。それまではしゃいでただけにそのノリとの対比が苦しい。
すごく愛に溢れた歌なのに既に寂しさとか覚悟があるんだってわかる気がするのに次のシーンお前ほんとにお前。いい味を出している…
最後にラム受け止められずにすり抜けていっちゃうのアアアアアア
▼永遠の別れ
しかし別にマクレガーさん悪くないんだよな。
元の事件って"悪意をもって殺された"のが胸糞案件なんだけど今回別に悪くなくない?
飼い犬か野犬かわかりませんでしたっていう状況で、よしよし落ち着けってできないよね。野犬は処分すべきという前提まであって、それなりに当然といえば当然の反応だと思ってる。
アレックスを守ろうとしたのかなとも思ったり。
というのを差し引いてもダニエルの受けたショックがダイレクトにこっちに伝わってきて厳しいのよね。
助けないと、が途中から治さないと、になってたの個人的には後者の方が苦しい。
これもし死に目に会えなかったとしても病死や寿命だったらあの反応じゃないと思う。血って強いんだよね。本能的に視覚から受ける情報がかなりきつい。
実際どうかはわからないんだけど、立ち上がる時に本当に力入ってなくてメアリーが必死に支えてるの辛いね。
ここのジョージ事務所ほんと救い。
形見売る前にやることあるんちゃうかと思うけどほんと救い。
「うるさいなーもーー!」もちょっとイラつくけどほんとにもう救い。
スーザンマッマの正論ストレートは私にもめちゃくちゃ効くんじゃ…
▼ラムのいない世界
喪失感えぐいんだけどこの曲まじでいいよね。どっかでソレ↑って上がるとこめちゃくちゃ好きポイント。歌詞うろ覚えすぎる、「消えゆく↑」とかかな。たしか吉田さん。吉田さんのオタクなんか??
箱に座るまでの間にめちゃくちゃ目でラム探すのやめれ…となる。
ダニエルの苛立ち強めの日とか寂しさ強めの日、心がただただ弱ってる日、まだ信じられない日、いろんな日がありましたが。
個人的には自分を抱きしめてもうラムがいないことを確認してるみたいな日がゴリゴリにメンタル削られましたね。
「色が消えた」で目に光入ってないのほんとやばい。
▼受け入れられない
メアリーのあなたまで失う、はラムよりも旦那さんの話だろうな。メアリーはダニエルほどラムの存在を大きく思ってなかったかもしれないけど、いざ二人きりになったら不安だと思う。
そしてラムとダニエルが一緒に遊んでるところは旦那さんが亡くなる前から日常だったわけで、メアリーの中でも決定的に何か変わってしまったんじゃないかな。
頭でいないのがわかってても身体に馴染みすぎて物音に反応しちゃうの辛すぎるよ。それにもう反応しなくていいっていう状況と、頭での理解が一致した瞬間だけは普通に堪えられないと思う。
「あなたは強く生きるのよ」がもーーー辛くてしゃーない。そう言うしかないよね。母親としてはそう言うしかない。わかるけど、でも生きてって。
「ラムがいない、ずっとずっと」でメアリーの手を滑り落ちてくの切ないね。
場面転換のイントロ(?)好きです。
▼僕に話して
お墓を掘り返してるところ全編通して一番好きかもしれない。癖がばれる。
織山さんの喉鳴らして泣くのすごい好きなんですよ。癖がばれる。もうちょい長く見たかっ(
いや冗談はさておき本当にすごいんだよね。
細かい感情はそこまで一致しないんだけど第23号が帰りたいって泣いてたあの時と少しだけ重なった。
会えないのはわかってるけど動いてないと潰れてしまうから、何か動き続けなきゃいけない。
顔が見たいなんて理性的なものではなくて精神的な防衛本能だけで掘り返してるみたいな。
このミュージカルって時間帯で言うと私は夕方が一番印象的なんですけど、劇中はたしかラムとの別れとこのシーンだけだった気がするんですよ。
オーバーチュアで夕方って「僕の親友〜」のメロディだったんですよね(無理)
手話は本当に謎。爆裂に空気読めてないけどケイトさんわりと天然だよね??「祈ってあげなさい」みたいな歌詞も今じゃない感がすごいのよ…
保安官に言っても無駄っていうのがわりと引っかかっていて、お父さんが亡くなった時に何かあったのかなってちょっと思った。
それか農場の小僧が言っても動いてくれないと思ったのか、そもそも犬のためになんか動いてくれないってそこは冷静に思ったのか。
ジョージの「君にとっての家族はそんなものなのか」って言葉は正直全編通して一番カチンとくるよね。そんなわけねえだろっていう。まだそこまで整理できてないわ。
あの瞬間、ダニエルのことを思っているようで自分の正義に反したものを正したいだけっていう方にずれてるように感じたのよ。
結果的にダニエルが進む道を整備してくれてるし、本人もそれに乗ってるから悪くはないんだけど。
正直犬目線で見ててもマクレガーをやっつけて罰してくれとはそこまで思わなかったし、「ラムのために」っていうのはかなり無理があるなって。
あのタイミングで、というかほぼ全編通してかな。ラムって自分が死んだことに気付いてないのよ。私だけかもしれんけど。
見えてるのになぜか会えなくて、ダニエルはずっと苛ついたり泣いたりしてて自分も悲しい。側に行って寄り添いたいけど行けない、だけなんだよね。
だから「ラムのために」って言われてもちょっとよくわかんないなって。いやいや君のためになんかさせてくれやって思う。今苦しんでるのはこっちじゃなくて君だよねって。
話の流れとか作品的におかしいというわけじゃなくて、ダニエルの心情って本当にそうだったのかな。いや台詞がそうなんだからそうだろって言われればぐうの音も出ないけども。
内心がどうであれ、たしかに一言で言えばラムのためなのかもしれない。でもなんか、なんだろう私だけかなこの違和感は。まあ当事者じゃないのでなんとも言えない。
「この街の〜できること」の音がめちゃくちゃ好きです。一幕ラスト、全員の主張が理解できるし誰も悪者じゃなくてこれが"社会"だなあと。
いや裁判長はギリアウトかな。
◯第二幕
▼目撃
ワンちゃんには首輪つけましょう(そこ)
このシーンで一般的な労働者から見たマクレガーさんのイメージとか格差がかなりわかると思うんだけど、やっぱりメアリーの態度って他とちょっと違うんだよね。
他の誰かだったら仕事と家くれるんだったら別にええわ、マクレガー怖いしって農場を離れてしまいそう。
いやそんなことはよくて。
メアリーの反応、マクレガーまじか許せねえじゃなくて「あの人がそんなことをするなんて信じられない」って感じなのよね。君たちの過去とは??
親子で弁護士に対するファーストタッチの警戒心すごいな。何かあった?お父さん絡みかな。
農場が貧しくなってしまったのは悪徳弁護士のせいだったりする?わからん。
以下マクレガーさんについての虚妄をしたためた過去ツイをコピペしておきます。(内容少し被ってるかも)
◇ダニエル父との関係
若い頃はマクレガーさんの方が地位や影響力が下だったんじゃないかと。
恐らく彼らが若い時って劇中より工業化が進む前で、その頃に後々美術館だ鉄道だってくらい大きい農場を経営してた人(ダニエル父)が一農民とは思えない。
飢えや貧乏を知らない、という発言から若い頃はかなり苦労したんじゃないかと推測できるし、もしかしたらダニエル父にかなりお世話になってたのかもしれない。
どういう経緯で土地の所有権がああいう形になったかはわからんけど何にせよでかい関わりあったのでは?
◇メアリーとの関係
上記なぜ思い当たったかというと、他の労働者の訴えや証言は鼻で笑ったり全否定なのにメアリーには敬語。強情な"お人"とまで言ってるし、農場を守れないなら〜みたいな言い回しも気になる。守るって何か特別なニュアンスがあるよね。
そしてジョージや労働者と比べるとダニエル親子にかなり当たりが弱い。特にダニエルに一対一で怒鳴ったりきつく当たったりしてないんじゃないかな。
あとアレックスを連れずに何回も会いに行ってるのも気になる。何?好きなん?ふられたん?
仮に農園を離れたとして家用意するよ!仕事用意するよ!ダニエルも学校行きなよ!(意訳)は高待遇過ぎない?夫の死から解放されて欲しいんですか?
何??好きなん???
メアリーも不幸自慢と"心の貧しさ"の歌に参加してないあたり、他の労働者とちょっと育ちが違う感じがするんだよね。性格の問題かもしれないけど。
◇ジョージとケイトへの当たり
昔はいい暮らしをしていたメアリーがどんどん貧しくなっていくのを見ていたから、ケイトと重ねてしまってジョージにあんな当たりきつかったのかなとか。
労働者の味方をするからじゃなくて、本当に単純に昔の自分とか今のメアリーみたいな環境にいてほしくなかったから結婚反対だったのかなって。
奥さんを恋愛感情で好きだったかは不明だけど豊かならきっと幸せにできるとは思ってたんじゃないかな。
◇事件について
実際の事件の年代とアメリカ大陸に狂犬病が波及したタイミングがわりとジャストなので、マクレガーさんに知識があったかはわからないけど野犬か飼い犬か判断つかない状態で「やられる前にやる」理論は対処としては間違ってないのよね。
何回か農場に出入りしてるのに犬を飼ってるのを知らなそうだったし、ラムも誰かわからないから吠えたっぽくて相互に認知してないのが不可解なんだけどこればっかりはわからん。
→何回か取り立てに来てたのをラムは見てて"悪いやつ認識"はしてたんじゃないか?ってボリオさんが仰っててなるほどでした。
▼利害関係
裁判長ほんと私利私欲おじさんに見えるんだけど、こういう人めちゃくちゃいるしこれを許さない社会は少しだけ発展が遅れそう。私見。
ここのマクレガーさんしっかり裁判長のこと嫌いそうですごくいいよね。普通にいい人やん。若干性格悪いけど。
っていうかさあ、話逸れるけどこういうことなんだよね。普通に生活しててこいつすげえ嫌いみたいな人いるじゃんたまに。マクレガーさんって自分の人生の中で会ったらあんまり好きじゃないと思うのよ。
でも劇中では家族との関係とか内心何思ってるかとか過去がうっすら見えたりするからキャラクターとしては好きになってしまうわけじゃん。
別に現実世界も一緒なんよ。会う人全員に感情移入してたらもたないし、そこまで中身開けっ広げにしてる人もいないから理解するのは難しい。無理な人はどう頑張っても無理だしね。
でもみんなプログラムされたNPCではなくてそういう個々の細かい人生で世界が成り立っているよなと思うなどする。まあ譲歩とか思いやりにも限度はあるんですけど。
▼人の本質
利害関係でいいと思いますけどね。善い行い一つするのにも「しなかったら自分が嫌だから」って理由がある。
利害を考えるのって要は理由付けじゃん。それが利益か損なのかまで考えてなくても、全くの理由なしに動く人っていないよ。極端な話愛だって"理由"で"利害"じゃんね。
そういうこと考えてるから捻くれるんやろな。
いやここのマクレガーさんまじでフェリペパッパ。カルロスくん見てない方はごめん。権力者あるあるよね。我々が生きてる次元よりももっと利害が濃くてやらしくなってく。上に立つ人間は孤独だよね。
アレックスも切ないよなあ…マクレガーさん曰くの「利害関係」抜きに接してくれるいい部下だと思うんだけどな。
▼偏見
ジョージがショック受けるのしょうがなくない?とは思わなくもないんだけど。
殺人だと思い込んでたら犬でしたって聞いて「関係ねえよ殺人と一緒だよ」って本気で言える人現在でも少なくない?
例えば子どもと飼い犬を本気で同列で扱える?亡くした時に同じ重さで感情を動かせる?
私無理かもしれないんよね。決して比べることではないんだけども。失った年数が違いすぎて、少なくとも精神の回復までの時間差はかなり出てくるんじゃないかなって。
いや子どももペットもいないのであの、ほんとすみません。燃やさないでください。人によります。
ダニエルにとってのラムが下手したらメアリー以上に大切な存在だったかもしれないのはそれはそうよ。
でも他人にいきなりそれをわかれっていうのはハードル高ない?っていう話。
私も自分の楽器に置き換えて考えたら本気で気狂いそうになったんですけど、それをいきなり聞いた人が同意してくれるとは思えないんですよね。
だからといって散々話聞いた後に「たかが犬」はだめでしょ、なんだけど。ダニエルがはっきり怒ったのってそれ言われた後なんよね。
個人的にはラムが犬って知ったらジョージがどう反応するかが怖くてあえて言ってなかったんじゃないかなって思う。その上でこの人ならわかってくれるかもってうっすら期待してたのかな。
ジョージが勘違いして怒ってることにはあんまり驚いてないように見えたしね。ただ勢いがすごすぎて言い出すタイミングなかっただけかもしれん。
ジョージくん無知だなんだってめちゃくちゃ言うけど、いやダニエルもそれはわかってたんじゃないの?っていう。保安官には言っても無駄、がここに繋がるかもしれないよね。
その上で、あなたならもしかしてって信じてくれてたんよ。
「マクレガーを打ち負かしたかっただけ」ほんとそれな。言い方悪いけど、人のため正義のためって思ってて蓋開けたら"良いネタ"に興奮してただけ感はある。
それをちゃんと自覚できたジョージは偉いよ。
「なんのために弁護士に」のあと後退りながら走ってくダニエルがめちゃくちゃツボです。
途中でジョージの歌のメロディが変わるのすごく好きなんだけど、心情の変化としてはわりと唐突な気がしないでもない。
いやハッと気付いた感じだから別にいいのか。だから急にメロディがぱっきり切り替わるん…おけ、解散。
▼街中話題の裁判
まあ無理でしょうね…
普通にマクレガーさんなんも悪くないしね。茶番を見届けに、とか腹立つこと言ってるんだけど事件に関してはほんと悪くないんだよなあ。
嫌味言ってる時ルーシーがうわなんだこいつ最低みたいな反応してるのめちゃくちゃ好き。
バーバラさんが口滑らせて席に戻る時、怒るでもなく不信感でもなくただ目で追うだけのダニエル…
ここでメアリーいないのってやっぱりジョージに対する不信感の表れなのかな。
ダニエルも負けるのは知ってたみたいな反応だよね。勝てなかったことが悔しいってよりも、余計ラムを笑いものにしてしまったことにちょっと後悔してそう。
ジョージにスルーされるスーザンが悲しい。
▼愛さえあれば
親子のすれ違いの王道よね。お互いの気持ちわかって辛いなあ。
そりゃ心配だよ。自分がいつまで養えるか分からないのに、先行きに不安しかない弱小弁護士に嫁に出すの無条件OKはできないよね。
あと箱入りに育てすぎたって言ってた気がするから、ケイト自身の能力とか強さを低く見積もってたり、子どもはいつまでも小さい子どもだと思い込んでる感じもある。いいお父さんなんだけどなあ。
妻を幸せにできなかったっていう自覚はあるんだろうなと。だからこそケイトには幸せになってほしいって気持ちが大きすぎる感じがあるよね。
ケイトの、パパは全部に口出ししてくるし私の未来は私のものなんだから入ってこないでって気持ちもわかる。それこそ愛があれば辛くても生きていけるって本気で思ってそう。
挙句にママに酷い扱いたくさんしたのに今更何?っていうのも大きいよね。
うーん、すれ違い。でもぶつのはだめよ。
▼ママの涙
マクレガーさん、しばらく上手に滞在するんだけどずっと左手気にしてて切ない。痛いのはパパも一緒だもんね。でもぶつのはだめよ(大事なことなので)
アレックスの名前ここだけなんだっけ。好きな人の発話でだけ"アレックス"として存在できるのばかほどしんどいな。
施設の出だから家族のことはよくわからない反面、裁判を通して人は難しいって純粋に思ったりとか。
アレックスがちゃんとしてるのってマクレガーさんがしっかりした上司だからなんじゃないのって思った。
「能力あれば誰でも歓迎」が嘘じゃないってここでわかるよね。そういえばそこの歌詞でアレックスと頷き合ってた気もする。
血筋とか家柄にあまり忖度する人じゃないんだよ。そりゃ裁判長のこと嫌いだわ。
いやほんっっっとに曲がいい。名曲すぎ。神田さんのお声が美しいのよ。
ジョージよりも俯瞰して色んな人間関係を見てきたアレックスだからこそ、の歌。劇中で一番世の中を引いて見てる気がする。
家族も恋人も結局他人だし簡単にはいかないよね。の具体例が次の曲ですかね。
▼恩知らずの薄情者
ルーシーっていうか吉田さんめちゃくちゃ好きなんですよね。安定感えっぐい。ビブラートがばちばちに好みなのと、発話と歌唱の境目の幅が広いんすよ(伝われ)
しかし意見的にはボブ派ですね。お金じゃんじゃかあるなら話は別なんだけど共倒れするなら絶対やめた方がいい。
ボブ性格悪そうに見えちゃうし物を伝えるのが恐ろしく下手だとは思うけど、人ってわりとこんなもんだし現実見えてるキャラクターではあるんだよね。個人的にはわりと好きだったりする。
結婚相手の親のために働いてるわけじゃないし。言い方あるやろとは思うけど。
歌の最後の「一瞬にして変わるものなの」の「いっしゅ↑ん」が好きです。
あれ、ここの曲「不幸もいろいろ」とメロ一緒なのか。今気付いた。
▼自分らしく
やさぐれジョージ。
ケイトさんの私と一緒になるため?は若干天然出てない?それどころじゃないよね多分。
ジョージが人のために動けてたのは、どれだけポンコツでもちゃんと慕われてたからだろうなあ。それすらなくなってしまったのといよいよ経営がやばくなって正義を貫けなくなってる。
自分のスタンスを諦めてしまったというよりはいじけてヤケになってるだけって感じもあるよね。正直感情面でめちゃくちゃ扱いづらそうだしケイトさん苦労しそう…軌道に乗っちゃえば大丈夫か。スーザンママおるし。
あの出席簿みたいなやつってそれなりに硬かった記憶あるけど、絶対痛いよね。渾身の正論パンチ(物理)は見ていて少し気持ち良くもある。
スーザンって金にならないことをするなとしか言ってないんだよね。報酬受け取らないのは論外すぎて想定してなかっただろうし、ジョージの信念自体は好きだから勤めてるんだろうなあ。
▼犬との約束
「もう自分を責めないで」はこれも親はそう言うしかないやつですね。それ以外言いようがない。
でも透けて見えるのが、ダニエルはずっと自分を責めてたのであってマクレガーさんを憎んでる感じがないってこと。強いて言えばシガークラブで笑いのネタにされたことを許してないくらいかな。
ラムが死んでしまったこと自体に関しては誰も責めることができなくて、矛先がないからそれが自分に向かう。それを収めろっていうのはちょっと酷だよね。自分を責めることでしか精神が救われてないのかもしれないから。
ダニエルの「ありがとう母さん」が痛い。
今まではダニエルの支えに少し甘えて依存してた感のあるメアリーが今度は完全に支える側になって強くなったなって思う。
強く生きてって言ってるのは自分なんだけど、ここにきて初めて自分の足だけで立ててるのはメアリーなんよな。
ラムへの語りかけがもうね、無理。ここ一番泣きそうになる。
「怖かったよね」じゃないんよ、ただ君を守りたかったのよ。
歌い出しの「君が」があり得んくらい優しくてしんどいね。辛さとか悲しさよりもただ思い出して記憶をなぞって、"好き"と"ありがとう"の比重が一番大きくてさ。
後列のオタク、推しと目が合ってる気がして双眼鏡の手ブレがやばい(いいやつ買えよ)
歌い終わりと同時に下に落ちてくみたいに表情が消えるのがたまらんよね。どれだけ目を逸らしても笑顔で約束しても、根本ラムはもういないっていう事実が根を張ってる感じ。
結局ダニエルの目的ってマクレガーさんへの制裁や謝罪が欲しいわけではなくて、みんなにラムを知ってもらいたい認めてほしいっていう方が大きいんですよね。街のためにとか人のためにとか、そこまで壮大な話でもなくて。
だから仮にまた負けてしまうかもしれなくてもそれを伝えられればいいって、再審に挑むことにしたんじゃないだろうか。
▼街中話題の裁判2
ジョージ、立派になって…
犬飼ってたら心臓ドストレートなんだろうなあ。
スピーチの最後にダニエルが微笑んでるのもう感情がバグるのでやめてください(やめなくていいです)
マクレガーさんの改心ってここだけ見ると唐突すぎんか?と思うんだけど、ジョージのスピーチは「人の本質」とリンクするよね。
彼にはラムのような存在はいなかったからずっと孤独で、妻を幸せにできなかった引け目と娘の反抗に挟まれたまま毎日仕事の利害でしか寄ってこない人間を捌いていたから。そういう存在がどれだけ大事かはしっかり感じられる人だと思う。
そして自分の手で奪ってしまったラムの存在の大きさに気付いた時、それは頭下げるしかないよね。あとシガークラブで笑ったことも一緒に謝ってそう。
これが有罪判決になったのまじですごいと思ってて、罪状的には何になるんだろうか?今の日本なら器物損壊か、名誉毀損とかでもワンチャンなのかな。法律ガチ勢に聞きたい。
ただ忘れちゃいけないのが裁判長は別に公正な法の番人というわけではないってこと。あのスピーチと人々の様子を見て「これ有罪にしないと世間体がやばい」って思ったんじゃないかなあ…
立場的には裁判長の方が上だけど、何回かマクレガーさんの機嫌取ったり顔色伺ったりしてたあたり協力関係でいてくれないと困りはするのよね。
だから「なにかありますかな…?」は不自然なくらいビビり散らかしてたんじゃないかなと思う。
結果的に有罪でも無罪でもあのスピーチ出た時点で裁判長は負けです。
ダニエルも驚いてるあたりラムのことを伝えたかっただけで、まさか本当に勝てるとは思ってなかったんだろうな。
ジョージに抱きつく時かかと浮くのめちゃくちゃ可愛かったです。裁判長が「はっはっは…ヨヨヨ」ってなるの好き。慰めるトーマスとボブも好き。
ここのシーンちゃんとルーシーとボブが離れて座ってるの細かいよね。そういうのすごく好きです。
マクレガーさんにそういう意図があったかはわからないけど、野犬の保護っていう新しいやることがちゃんとあってよかったよね。切り替えのスイッチになるし、ラムがいた頃と変わらない日常のままだと精神がきつそう。
とはいえ面倒なことを押し付けられてしまったんじゃないか感はその…まあありますよね…でも悪意がある感じではないし、あっケイトさんの天然ってもしかして遺伝(失礼)
ただこれ、もしラムが天寿を全うしていたとしたら。
メアリーとダニエルはどうなっていたんだろうって考えてしまうね。
お別れは言えたかもしれないけど農場の経営は厳しいまま誤魔化しだけは効かなくなってくる。
どっちの方が良かったかは私には分かりません。
▼あなたの犬
一幕の終わりとはベースの曲も歌う人も一緒なのに、温度が全然違っていいよね。ちゃんと何かは変わりました。
一幕ではみんなバラバラなことをバラバラに歌ってたのに、終幕では同じ方向を見てるのもいいですね。
周りの人が歌い出してダニエルが泣いてしまうのがすごく刺さる。ジョージはいたけどダニエルにとっても孤独な戦いだったよね。
ラムを失った悲しみを誰かが理解してくれるだけで少しだけ軽くなる。周りがみんな「たかが犬でいつまで悲しんでるんだ」だったらきつい。
ダニエルの後ろでルーシーとボブ仲直りしてるんだけど、その一瞬だけ歌がないのよ。愛〜〜!!
「悲しみは消えないけど」ってただ前向いて歩いてくだけじゃないのが安心する。それはそう。そんな簡単には切り替えられない。
ふとした時にうっかり名前を呼ぶだろうし、起き抜けに姿を探すだろうし、犬の群れの中にラムを見てしまうかもしれない。
事件がなくてもラムが寿命を迎えていたくらいの頃に、やっと何か追いついてくるのかな。
ほんと幸せになってほしい。
◯ラム目線で観劇して
初めて観た時、上手く言えないんだけど細かい話の流れがかなり独特な感じがしたんですよね。
ダニエルと接している人の言ってることがあんまり頭に入ってこないというか。その人が何を言っているかどうかじゃなくて、ダニエルの反応を元にして相手を形作ってる感じというか。
ダニエルのキャラクター性ってすごく自然に見えるんですよ。人目線で見るとよくわからない子だなと思わなくもないんですけど、ラム目線だとめちゃくちゃわかるんですよね。
対して周りにいる人たちってキャラが立ちすぎてるというか、感情の波が多少極端だったりする。まあフィクションなので当たり前といえば当たり前なんですけど。
つまり何が言いたいかというと、例えばジョージがダニエルに怒ってしまうシーンがありますよね。
普通に観てるとジョージがすごく怒って反射的に言ったことに対してダニエルが反発してるんですが、ラム目線だとなんか知らんけどダニエルがすごく怒ってる、この男が何か酷いことを言ったんだっていうイメージでジョージの見え方が極端になってる感じがする(伝われ)
逆に最後のマクレガーさんも、前振りがあったとはいえ改心が激早なのはダニエルが許したからラムからはそう見えたりしたんじゃないかなーとか。
ダニエルと他の登場人物で感情とか見え方のテンポ感が違うように感じたんですよね。
それは意図された物なのか、ダニエルが主人公だからたまたまそういう構成になってるのか、単に私がそう感じただけ説も濃厚なんですが。
ダニエルの感情の動き、生活のリズム、周囲との関わり方とそれに伴う登場人物の心情やキャラクター性がすごく丁寧に描かれてるなあと感じました。
これ、逆に普通の観客目線というか"人"目線だとジョージが主人公に見えるんですよね。
そしてダニエルはわりと何考えてるかよくわからない繊細な少年に見える。
ラム目線ではダニエルを中心にして世界が広がってるけど、人目線だとラムを含む周りの登場人物との交わりの中にダニエルの人間性が浮いて見えてくる。
人目線でダニエルという個人を独立させて見出すのは難しいんですよ。
正直事前に何も言われてなかったら犬目線で観ようとは思い付きもしなかったかもしれない。その立場で想像はしたかもしれないけど、目線で見るっていうのはまた種類が違う。
ラムと人と、色んな存在の目線から世界の解像度が上がっていくすごく面白いミュージカルでした。
それってこの物語の根本的なテーマともちょっとだけ交わっていたりして、なんかいいですよね(語彙よ)
◯トータルの感想とか
感動しましたか?と聞かれたら「しました」も「しなかった」もなんか違うなという感じです。
面白くも楽しくもあったんですけど、私のキャパを細かい要素が超えてしまってて一言での感想は難しいんですよね。そしてそれは「感動した」では恐らくないと思います。
だから上記やばい文字数になっちゃってるんですけども。
犬飼ってたら、子どもがいたら、とか共感要素が想像でしか補えなかったのもなくはないかもしれないです。
初見の感想ってたしか「難しい」だったんですがそれは今も変わらないですね。細かく人を見ていけばそれぞれ共感できるところはあるんですけど、それを踏まえても難しい。
最後に物語と人々の思いが束ねられた、まさにその留めているものの所在がわからないというか。いやそれはラムであり犬なんですけどそこまでは理解してるつもりでも全貌が掴めない。ずっともやもやはしてる。
でもそれはそれでいいのかなとは思うんですよ。だって社会って難しいし。
心を動かしたスピーチは同じものでも、登場人物も客席もそれぞれ思い描いた「犬」も共感したポイントも違う。それはこのミュージカルを観て「感動した!泣いた!」という方と私みたいな受け方をした人がいるのと同じように。テーマそのものが合う合わないもありますしね。
物事の起承転結ははっきりしてるけど細かい噛み合わせが地味に難しいストーリーは本書くのも大変そうだなあと思いました(誰)
観た人に引っ掛かりを残さずに納得させるのってかなり難易度高そうだなって…個人的には幻のめちゃくちゃ暗い版も観たい気持ちはあります笑
このミュージカルは実話が元になっているけど、もし実話じゃなかったら多分もっとフィクションを盛れるし一貫した"綺麗な"形にすることはできると思う。
でも実話だったから少し歪でその分生々しくて、作られた物語ほど素直に飲み込むことが難しい。だからこそそのちょっと歪んだ枠組みの中で煌めく命や信念が目に入って美しいと思わされる、そういう作品だったなと思うのです。
100%の感動じゃないと「面白かった、よかった」って言っちゃいけないわけではないんですよ。
それはアイドル推してても同じだなーと思います。推しは絶対褒めなきゃいけない、隅までつつき返して良いところを見つけなきゃいけない、いつも好きじゃないといけない、そんなことはないです。
直接手紙に書くとかなるとまた別なんですけど、思うのは自由だし感じ方を捻じ曲げてまで推すの苦しいじゃないですか。
今回で言えば「推しが主演だから良かったって言わないと、感動しないと泣かないと」みたいなのは逆に失礼だと思うんですよね。いや推し関係なく作品を観てくれ、と思う。
推しに「泣いた」報告をするために足を運んでるわけじゃないのよ。そんなん極論行かなくたってできる。せっかく観るなら貪欲に全部むしゃぶりつくした上で答えを出したい。
一応ですが本気で感動して泣いた方がどうこうみたいな話じゃないです。私も泣きかけたところはありましたしね。
好きなところは好き、面白かったところは面白かった、よくわからんところはわからん。全部感じたことであり感想ですよ。
それは作り手から感じ方を強制されるものではないし、受け手側で感想を統一させる必要もない。
色んな作品とかエンタメに触れて感じたこと、思ったことから自分とか他人、社会への理解度って深まってくと思うんですよね。
ハマりきった作品はもちろん捏ねるけど、今回みたいに難しいなって思ったものも「わかんねえ」からってポイ捨てするようなことはしたくないでございますよ。
誤解されそうなので再度言いますが「犬との約束」は難しくて面白くて、めちゃくちゃ楽しかったです!!!!
◯織山さんのオタク目線では
いやかわいいんよ。かなり前列で観られた日があって、話1ミリも入って来んのよ。
造形を把握しようと思って舐め回すようにして見てしまってすみません…裁判中気まずそうにしてたのは裁判に対してだと信じたいよね。
考えながら観劇してることが多いんだけどあの日まじで知能指数が3とかやった。あまりにも近すぎる前列あんまり向いてないかもしれん。
ダニエルはもっとサスペンダーをがっつり見せてくれてもええやで。いや見え隠れするのが良いっていうのもあるな…私はどっちも取れない(どっちでもいいよ)
考えながら、とは言ったけど実質働いてる脳みそなんて6割くらいで残りは「美少女ォ…」しか思ってないです。髪型もあるんだけどまじで終始美少女だった何あれ。
ただそれでも観てる時に織山さんのことを考えてるタイミングはほとんどないのがすごいな、と思う。
あくまでもダニエルが美少女でダニエルのサスペンダーに思いを馳せ、ダニエルの横顔が好きすぎて、綺麗な涙を落とすのはダニエルなんですよ(?)
慣れてはいけないと思っていても、お芝居に関してはあのレベルの高さに慣れかけてしまってる。毎回新鮮な気持ちで浸りたいすね…。
あまりにも自然すぎて、改めて芝居が上手いと思う余白がないみたいな。ずっとダニエルみたいな話と繋がるんですけど、芝居が上手い子だな、じゃなくてダニエルだな、なんですよね。
個人的には織山さんは映像作品よりも舞台派なんよね。その場その場で組み上げてく方がなんとなく合ってるんじゃないかなって。知らんけど。
歌はまだ全然成長できるなって感じではあるけどダニエルにはめちゃくちゃ合っててよかった。純朴な感じで。
いやあれ織山さんがどうっていうか一週間声枯れない他キャストの皆さんが何故??なんよ。プロってすげえなって…
でも声が枯れてなかったら音程ばっちりはめてくるくらいの感じがあるの本当に安心できるんよね。頭では音を捕まえられてるのは聴けばわかる。逆に何ができないんだ、球技??
Twitterでのたうち回ってたけど、Kappaに関してはもう同じ位置で思い出さないようにしようって思った。
あれはあまりにも特別で、初主演でインパクトが強すぎたからいつまでも縋ってしまうけど。
推しが出てるって前提の上であそこまですんなり突き刺さってくる作品はもうないと覚悟をしておこうって。
どれだけ素晴らしい舞台もミュージカルも、隣に置いたら霞んでしまう。それは決して優劣や印象の強弱ではなくて、私がたまたますごく共鳴するものだったっていうだけの理由で。
そんな理由で正面から受け取れないのはもったいなすぎるし、無意識だろうとそもそも比べるようなこと自体が大変失礼だしね。
「犬が優しいのは飼い主にも誠意がある時だけ」みたいなことを言ったけど、それはアイドルとファンもそうなんですよ。
織山さんはよく「みんなが支えてくれるから」的なことを言うけれどそれは。あなたがそういう人だから、です。こちらも誰でも愛せる神のような人間ではない。
無機質な言い方をすると、応援するに値すると感じたから、お金を払う価値があると思ったから、織山さんから生み出されるものを信用しているから。
ぼかすなら「あなたが好きだ」と強く思ったから。
でもそれを無償の愛や見返りを求めない愛だとは思わないです。ちゃんと時間もお金もかけた分のもの、それ以上のものをもらっている。
アイドルは数多いるけれど織山尚大からしか受け取れないものがあるからあなたのことを推している。誰でもいいわけじゃない。
思ってた世界とはちょっと違ったんだけど、たしかに織山さんがいなかったら「犬との約束」の世界観に足を踏み入れることはなかったと思う。
日頃そうやってどれだけの事に気付かずに脇を通り過ぎてるのか、織山さんのオタクしてると自分の人生がめちゃくちゃもったいないような気がしてくるんよ。
でもそこから拓いていけることもある。
織山さんを見てるだけ、織山さんが見せてくれるものだけで頭打ちにしないで色んなことを考えていきたいよね。それが巡り巡ってまた彼の作り出すものの奥行きを作ったり解像度を高めたりしてくれる。楽しいなあ。
2022.4.26 (5.4追記)